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2005年09月15日
スズムシ日記(9月15日)
東京児童幼画堂代表 鈴石弘之
猛暑の夏が終わったのに、未だ厚さが続いている。四谷第四小学校は普通教室が冷房になって、中休みに、校庭で汗みどろになって遊ぶ子どもがめっきり減ってしまった。しかし、図工室にはクーラーは設置されない。たぶん、図工は確かな学力とは無縁だから必要ないのだろうと、ひねくれている。
2学期になって、図工室にやってくる子どもたちは90分制作して、汗みどろになっているが、ちっとも不平を言わない。暑さを忘れているかのようにも見える。途中で水分不足になって生ぬるい水道水をがぶがぶ飲んでいる。
今日も子どものいなくなった図工室に、喧噪の跡形として机に絵の具がへばりついているし、手がけた「二つの顔」が廊下に展示され静かにお休みになっている。しかし、真夜中には、息を吹き返し、制作途中の子どもたちの内言を声高にするのかも知れない。
今日の午前中、併設されている幼稚園の年少組の子どもたち9名にどろ遊びを指導した。
テラコッタ粘土を乾燥させておいたものに、水を入れ、ヘドロ状になったねんどをお盆にのせて、洗濯糊を混入して、こねこねして、ダンボールの空き箱を解体したものにフィーンガーペイントをした。気持ち悪いと最後まで言っていた女の子。早く手を洗いたいと言う男の子を除いてみんな全身でダンボールに粘土を擦り付けていた。そのうち、足をつけてもいいと言う女の子が現れた。しめたである。いいよと促すと、伝染してみんなが足に粘土をつけてダンボールの上を歩き回っている。いつまでも止まることなくぐるぐる回っている。ダンボールめぐりの巡礼のようだ。早く手を洗いたいと言っていた子もみんなの様子に刺激されておそるおそる足に粘土をつけて見る。そしてみんなと一緒に歩き出す。そして、感触に慣れたとき、彼はついに嬉しそうな顔をした。その瞬間に出会えて、良かったと思う。4才児の彼等は、きっとその感触を心の地層に積み上げるだろうと思う。
幼稚園主任が、言っていた。「近頃は後始末が大変だから、こんな活動は滅多にしなくなりました。」と……。
投稿者 zukodaisuki : 2005年09月15日 19:25